サラリーマンはインデックス投資で99点の投資成績が得られる

当ブログでは、長期のインデックス投資をおすすめしています。

 

このブログの対象は日系大手サラリーマン、つまり「普通の人」です。

普通の人は、本業や家族との生活もある中で、株に時間を割いている暇はほとんどありません。

一方で、「株式投資」と聞くと、時間と労力をかけて銘柄を選定するイメージを持つ人も多いと思います。

 

ところが、これから紹介するインデックス投資は、労力がほとんどかかりません。

その上、長期でのパフォーマンスも優れているという、まさに夢のような投資手法なのです。

 

 
スワン
ちゃん
なんか怪しくない?
 
 
ヤンピン
怪しく聞こえますが、極めてスタンダードな投資手法です。
 

株式投資の基礎知識

株価の特徴

株価には、ざっくり以下4つの特徴があります。

(1) 短期的には上がったり下がったりする
(2) 長期的には少しずつ上がる
(3) ある特定の企業みると、成長する企業とそうでない企業がある
(4) 市場全体をみると、じわじわ成長する

 

 

 

つまり、長期で市場全体に投資をしておけばじわじわ上がっていきますよね、という訳です。

逆に、短期で個別株に手を出すと、大きな損失を被ることもよくあることです。

 

 
ヤンピン
「株は怖い、ギャンブルだ」と言うとき、たいてい短期の個別株をイメージしているのではないでしょうか。

 

「市場全体に投資をする」とは

色んな会社の株式を買って株式の集合群を作ることを「ポートフォリオを組む」と言います。

 

簡易的な例ですが、暑い日によく売れるビール会社A社と、寒い日によく売れるコーヒー会社B社があるとします。

この時、A社とB社の両方の株を持っておけば、ポートフォリオでみると気温というリスクを低減することができます。

 

 

 

さて、当然ですが世の中には気温以外にも様々なリスク要因が存在します。

それでは、最善のポートフォリオとはいったいどのようなものでしょうか。

この問いには既に学術的な答えが出ており、「市場に存在する全ての株式を(時価総額加重平均して)持つこと」です。

 

1つ1つの企業をみると、急成長する企業がある傍らで、倒産していく企業も存在します。

しかし、人間が経済活動を行なっている限り、トータルで見ると世界の富は膨れ上がっていきます。

それなら、世界に存在する株を全て持っておけば、富の膨張をまるっと享受できるよね、という発想です。

 

このように、市場に存在する株にまるっと投資をする手法を「インデックス投資」と言います。

 

投資信託とは

さて、「市場全体に投資をする」といっても、すべての株を個人で買い付けるには莫大な資金が必要です。

1社の株を買うには数十万~数百万円が必要ですので、何百社、何千社もの株を買い付けるのは現実的ではありません。

 

そこで用いられるのが「投資信託」という仕組みです。

 

この仕組みを用いることで、少額でもインデックス投資をすることができます。

金融機関には仕組みの利用料として手数料(信託報酬)を支払う必要がありますが、投資残高の0.1%程度と非常に格安な価格設定となっています。

 

 
ヤンピン
インデックス投資は誰が組成しても同じ仕組みになるため、差別化要素が無く、手数料の叩き合いになっています。

 

アクティブ運用とは

上述の通り、インデックス投資では市場に存在する株式すべてに投資をします。

ここには誰の作為も介在しないため、「パッシブ運用」とも呼ばれています。

 

反対に、「アクティブ運用」と呼ばれる手法も存在します。

市場には、成長が見込めない企業や死にゆく企業もあります。

そのような企業に投資をしても投資成績は悪くなるだけですから、有望な株を選んで投資をした方がいいでしょう、という運用方法です。

 

 

一見、パッシブ運用(インデックス投資)よりもアクティブ運用の方が理にかなっているように思えます。

なにせ、パッシブ運用では足手まといの企業にも投資をしてしまう訳ですから。

 

ところが、アクティブ運用がパッシブ運用に勝つことは極めて困難とされています。

主な理由は以下の通りです。

  •  アクティブ運用では手数料(信託報酬)が高くなる
  •  そもそもファンドマネージャーは有望な株を選定できない
  •  投資家が優秀なファンドマネージャーが誰なのか見極められない

 

■ アクティブ運用は信託報酬が高い

アクティブ運用では、有望な株を見極めるための情報収集・分析などに多大な労力がかかります。

高級取りのファンドマネージャーや分析チームのコストが、そのまま信託報酬に乗せられるわけです。

 

 

インデックス投資の信託報酬は0.1%程度と極めて低いですが、アクティブ運用の場合、1~2%かかることも珍しくありません。

つまり、最低でもインデックス投資を1~2%上回る利回りを出さなければ勝てないのですが、これを長期で実現し続けることは困難を極めます。

 

■ ファンドは有望な株を選べない

実は、情報収集・分析に多大な労力をかけても、有望な株を見つけられるとは限りません。

それどころか、時間とコストをかけて選定した株価がインデックスよりも悪いということもザラにあります。

 

 
ヤンピン
「ファンドマネージャーが選んでもサルがダーツを投げて選んでも同じようなパフォーマンス」と揶揄されたりします。

 

 

投資家は優れた投信を見極められない

上述の通り、そもそもアクティブ運用がインデックス運用に勝つことは難しいのですが、仮に長期で勝てるファンドマネージャーがいたとしても、問題はまだ残ります。

投資家側に、その優秀な一握りのファンドマネージャーを見極める能力が無いことです。

 

アクティブ運用の投資信託は、数万本も存在します。

投資家側はその中から一握りの優秀なファンドを探さなければなりませんが、我々「普通の人」にそのような能力はありません。

 

普通の人にはインデックス投資が最適

さて、これまでの話をいったん整理しましょう。

 

  •  市場全体に投資することをインデックス投資という。
  •  インデックス投資は長期的に高い確率で儲かる。
  •  投資信託の仕組みを使えば、少額からインデックス投資が始められる。
  • アクティブ運用はインデックス投資を上回る成績を目指すが、達成は極めて難しい。

 

それでは、以下でインデックス投資の始め方を見ていきましょう。

 

インデックス投資の始め方

STEP 1 | 証券口座を開設する

投資信託を買うには、証券口座が必要です。

どの証券会社でももいいですが、手続きがオンラインで完結する楽天証券やSBI証券が人気です。

 

楽天経済圏の住民は、楽天証券で開設しておくことをおすすめします。

 

STEP2 | つみたてNISA口座・iDeco口座を開設する

つみたてNISAやiDecoなどの非課税口座も合わせて作りましょう。

通常の課税口座では、売却時に値上がり分の20%を課税されてしまいますが、非課税口座ではこの税金がかかりません。

 

 

30年~40年という長期投資では、運用益が数千万円にもなります。

かならず非課税口座を開設しましょう。

ただし、iDecoは原則60歳までお金が引き出せないので、資金繰りが回るかどうか計算する必要があります。

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18歳以下の子供がいる方は、ジュニアNISAの活用もおすすめです。

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STEP3 | インデックス投信を選ぶ

ひと口に「インデックス投資」といっても、実は種類は色々あります。

大きく分類するだけでも3つ、細かいものも含めるとそれこそ無数にあります。

 

(1) 日本株のインデックス
それほど人気はありません。日本自体が低成長だからです。

 

(2) 米国株のインデックス
一番人気です。過去最もパフォーマンスが良いからです。
<定番商品>
・eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
・SBI バンガード S&P500

 

(3) 全世界のインデックス
こちらも人気です。これから伸びる新興国の成長も取り込めます。
<定番商品>
・eMAXIS Slim 全世界株式
・楽天・全米株式インデックス・ファンド (楽天 VTI)
・楽天・全世界株式インデックスファンド (楽天 VT)

 

(2)米国株か(3)全世界株のどちらかを選んでおけばよいでしょう。

どちらを選んでも正解なので、ここで迷う意味は余りありません。

 

脳のリソースの無駄だと割り切った方が賢明です。

 

 
スワン
ちゃん
「どっちでもいい」と言われると余計に選べないんだけど…。
 
 
ヤンピン
そういう人は、両方買っておけばいいと思います。どうせほぼ同じ値動きをしますので。

 

ちなみに、(2)米国株派と(3)全世界株派のそれぞれの意見をまとめると以下でしょうか。

■米国株派
・ 過去の成績をみると米国株の方が好成績
・ 全世界株式に分散させても、結局は米国動向に左右される
・ 全世界株には、日欧といった低成長市場まで含まれており非効率

 

■全世界株派
・これから30年間で期待される新興国の伸びを取り込んでおきたい
・ 米国株を選ぶ時点で「米国」という市場を恣意的に選択しており、厳密には時価総額平均加重になっていない。

 

STEP4 | 定額のつみたて設定をする

開設した証券口座ので、定額つみたて購入の設定をします。

定額で買い続けることで、一時的な株価の上昇や下落の影響を平準化することができます。

ドルコスト平均法と呼ばれるオーソドックスな手法です。

 

 

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STEP5 | 投資していることを忘れる

入金だけはしっかりして、あとは忘れてしまいましょう。

 

特に投資の始めたては、価格の上下に一喜一憂してしまうものです。

しかし、20年~40年の長期投資ですから、毎月の値動きを気にしても仕方ありません。

いっそ投資をしていることを忘れてしまって、もっと有意義なことに時間を使いましょう。

 

ちなみに、あなたが2020年時点で30歳だとした場合、つみたてNISAとiDecoの年間枠を使い切るとどれぐらいの資産を形成できるでしょうか。

答えは、60歳時点の資産残高で5,000万円近くになります(年率5%で運用できた場合)。

 

STEP1~4の設定だけしてしまったら、あとは老後まで放置しておけばよいです。

普通のサラリーマンが、「何の調査もせず」「売買のタイミングも見極めず」「売買の手間もかけずに」、放置しておくだけで十分な資産形成が可能になります。

 

これが、サラリーマンが99点の投資成績を得る方法です。

これ以上に合理的な手法は他にないと思います。

 

 
スワン
ちゃん
年率5%の運用っていう前提条件はどうなの?
 
 
ヤンピン
例えば米国株の場合、年平均6~7%の運用利回りを達成していますので、保守的な設計とも言えます。

 

 

終わりに

長期でインデックス投資をしているだけで、99点の投資成績が得られます。

普通のサラリーマンが取り得る最善の投資方法だと思います。

 

一番怖いのは、投資中級者が陥りやすい自己流カスタマイズです。

何か余計なことをすればするほど、どんどん投資成績が下がっていくことを強く認識しましょう。

  •  暴落時に底を予測して追加投資しようとする。
  •  高配当株に手を出す。

 

これらは、典型的な「余計なこと」です。

大人しくインデックスファンドだけせっせと買っておくことが、結局は投資効率を最も高めることになります。

 

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